白内障
白内障は、主に加齢によって水晶体(目の中のレンズ)が混濁する疾患です。症状としては、視力低下、物がかすんで見える、光がまぶしい、片目で見たときに二重や三重に見える、色が鮮やかに見えないなどが挙げられます。
軽度の初期段階では経過観察を行い、白内障の進行を遅らせるために点眼薬を処方することもありますが、根本的な治療法は手術のみです。手術のタイミングに厳密な基準はありませんが、白内障の進行度や生活への影響、ご本人の意思などを総合的に考慮して決定します。ただし、白内障が極度に進行して硬化が強い場合や、緑内障発作のリスクがある場合には、早期の手術をお勧めすることがあります。
手術方法:
通常の手術では、白目に2.4mmほどの小さな切開創を作り、濁った水晶体を超音波で砕いて吸引し、残った水晶体の袋(水晶体囊)に眼内レンズを挿入します。当院では、日帰りで白内障手術を行っています。アルコン社の光学式眼軸長測定装置ARGOS、手術顕微鏡LuxOR Revalia、超音波白内障手術装置CENTURIONなどの最新機器を備え、高い精度で安心できる手術を提供しています。
手術までの流れ:
まず、視力、眼圧、眼底、画像検査などを行い、白内障の状態や他の疾患の有無を確認します。白内障手術による症状改善が期待でき、手術を希望された場合には、血圧や既往歴を確認し、術前検査と手術説明の日程、さらに手術日を決定します。
術前検査では、眼軸長測定、角膜内皮細胞検査、血液検査などを行います。また、手術説明の際には、ご家族にも同席していただきます。
手術日当日は、手術の1時間前に来院していただき、体調の確認、術前点眼などの準備を行った後に手術室にご案内いたします。手術用ベッドに横になり、局所麻酔(点眼麻酔単独、またはテノン嚢下麻酔併用)を用いて手術を行います。個人差はありますが、通常手術は15分程度で終了します。
手術終了後は眼帯を着用し、リカバリールームで体調確認を行った後、会計をして終了となります。翌日受診時に眼帯が外れ、術後の点眼を開始します。