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⼩児の近視進行抑制治療(低濃度アトロピン点眼)について

当院では⼩児期における近視の進⾏抑制を⽬的とした低濃度アトロピン0.025%点眼薬を⽤いた点眼治療を⾏っております。

2025年5月より当院では参天製薬から発売された国内初の近視進行抑制点眼薬「リジュセアミニ点眼薬0.025%」の処方を開始いたします。リジュセアミニ点眼薬0.025%は従来使用しておりましたマイオピンと同様の低濃度アトロピン製剤で、近視の進行抑制が効能・効果として認められています。お子様にも使いやすい「一回使い切りタイプ(防腐剤フリー)」となっています。なお、リジュセアミニ点眼薬もマイオピンと同様に自由診療となります。

【治療について】

⽇本では2⼈に 1 ⼈が近視と⾔われています。先進国において近視は視⼒障害の主要な原因であり、近視は主に⼩児期に進⾏します。また、⾼度な近視の場合は、視⼒喪失、⻩斑変性症、網膜剥離、緑内障などの眼疾患に発展する可能性があります。

近視は眼球が楕円形に伸び(眼軸⻑が伸びる)ピントの位置がずれることで⽣じる軸性近視のケースが多く、 ⼀度眼軸が伸びてしまうと、戻ることがありません。そのため、 眼軸の伸びを抑えることが近視の進⾏を抑制するうえで重要です。

アトロピン配合点眼薬には眼軸の伸展を抑制する効果があるといわれ、近視の進⾏を遅らせることが統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されています。アトロピン1%点眼を使⽤した近視治療は 1960年から⾏われていますが、散瞳(瞳孔が拡がる状態)によるまぶしさ、⽬の調節機能(ピントを合わせる機能)の低下による読み書きの困難、アレルギー症状、不快感などの副作⽤がありました。 近年シンガポールなどにおいて、低濃度アトロピン点眼は近視の進⾏抑制効果があると報告され、副作⽤もほぼないことが確認されました。このことから当院では、低濃度アトロピン点眼液を使⽤した⼩児期の近視進⾏抑制治療を⾏っています。

※本治療は近視の進行を抑制するものであり、近視が全く進行しないわけではありません。「30cm以上離して物を見る」、「30分に1回は20秒以上遠くを見て目を休める」、「1日に2時間の屋外活動を行う」ことも心がけてください。

 

【治療に使う点眼薬】

・低濃度アトロピン点眼薬 (製品名:リジュセア®ミニ点眼液0.025% )

・点眼⽅法 両眼 1 ⽇ 1 回就寝前に点眼


 

【治療の対象の⽬安】

・5歳から15歳くらいまで

・中等度(-6.0D程度)以下の近視の⽅

・3か⽉毎の定期通院が可能な⽅

 

【治療の流れ】

  1. 近視の確認(保険診療)

散瞳検査を含む「近視」の精密検査を行います。治療の対象であるかについても確認します。

  1. 点眼処方初回(由診療)

 治療開始をご希望されれば、検査(眼軸長測定検査など)、診察、治療内容の説明後、点眼薬の使⽤開始となり点眼薬を1ヶ月分処方します。

・点眼後の副作⽤について

点眼薬使⽤開始後に眩しさ、⼿元の⾒えにくさ、アレルギー症状(⽬のかゆみ、充⾎、 ⽪膚の炎症)、動悸、その他の気になる症状がありましたら当院までご連絡ください。

  1. 1ヶ月検診

 ・検査、診察、点眼薬使⽤後の状況を確認し、異常がなければ治療を継続し点眼薬を3ヶ月分処方します。

 ・点眼薬による異常が認められた場合は治療を中⽌する場合があります。

  1. 定期検診

・1ヶ月検診後、3ヶ月毎の定期的な検査、診察を行い、点眼薬3ヶ月分処方します。

・治療は2年以上継続していただくことをお勧めいたします。

 

【治療の費⽤】

・初回

 診察・検査+点眼薬費用(1ヶ月分、1包装30本):8,800円

・1ヶ月後 

診察・検査+点眼薬費用(3ヶ月分、3包装90本):16,400円

・3ヶ月毎の定期受診

診察・検査+点眼薬費用(3ヶ月分、3包装90本):16,400円

※この治療は⾃由診療です。(保険診療や⼦ども医療費助成制度は適応されません。)

※日本眼科医会の指導により近視進行抑制治療中は、近視に関する診療(眼鏡処方やコンタクトレンズ処方、視力検査等)はすべて、自由診療となります。

※近視以外の診療(アレルギー性結膜炎、ものもらい等)は保険診療を受けることが可能です。ただし、診療録、検査、処方、会計は明確に区別する必要があります。

※現在マイオピン0.025%をご使用中の方につきましては、在庫がなくなり次第、「リジュセアミニ点眼薬」への移行をお願いする予定です。

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